家を建てる期間はどれくらい?
今回は、家を建てるのにかかる平均的な期間を、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造といった構造別、ハウスメーカーと工務店での違いなどを解説します。
家を建てるのにかかる期間はどれくらい?

家を建てる計画を立てる上で、まず気になるのは完成までの期間ではないでしょうか。工事期間は様々な要因によって変動しますが、おおよその目安を知っておくことで、資金計画やスケジュール調整がスムーズに進みます。ここでは、家の種類や建築業者、建物の規模など、期間に影響する要素を解説します。
家の種類別で解説!平均的な建築期間
家の種類によって、構造や工法が異なり、建築期間も大きく変わります。一般的に、木造住宅は工期が短く、鉄筋コンクリート造住宅は工期が長くなる傾向があります。
家の種類 | 平均的な建築期間 | 特徴 |
---|---|---|
木造住宅 | 4ヶ月~6ヶ月 | 工期が短く、コストも比較的抑えやすい。日本の気候風土に適している。 |
鉄骨造住宅 | 5ヶ月~7ヶ月 | 木造住宅よりも耐火性・耐久性に優れ、間取りの自由度が高い。 |
鉄筋コンクリート造住宅 | 7ヶ月~10ヶ月以上 | 耐火性・耐久性・遮音性に最も優れているが、工期が長く、コストも高くなる。 |
木造住宅の場合
木造住宅は、在来工法とツーバイフォー工法に大別されます。在来工法は、柱や梁などの構造材を現場で組み立てるため、工期はやや長くなる傾向があります。一方、ツーバイフォー工法は、工場で生産された壁パネルを現場で組み立てるため、工期を短縮できる場合があります。平均的には4ヶ月~6ヶ月程度が目安となります。
鉄骨造住宅の場合
鉄骨造住宅は、軽量鉄骨と重量鉄骨に分けられます。軽量鉄骨は木造住宅と同様に工期が比較的短いですが、重量鉄骨は鉄筋コンクリート造住宅に近い工期となる場合もあります。平均的には5ヶ月~7ヶ月程度が目安となります。
鉄筋コンクリート造住宅の場合
鉄筋コンクリート造住宅は、コンクリートの乾燥期間が必要となるため、他の構造に比べて工期が長くなります。建物の規模や設計の複雑さによっても変動しますが、平均的には7ヶ月~10ヶ月以上かかる場合もあります。
ハウスメーカーと工務店で期間は変わる?
ハウスメーカーと工務店では、建築プロセスや管理体制が異なるため、工期にも差が生じることがあります。ハウスメーカーは、独自のシステムやマニュアルを整備しているため、工期が比較的安定している傾向があります。一方、工務店は、地域密着型で柔軟な対応が可能ですが、規模や体制によっては工期が変動する可能性もあります。どちらを選ぶかは、予算や希望する家のスタイル、対応力などを考慮して決定しましょう。
坪数や間取りによる影響
当然のことながら、家の規模が大きくなるほど、工期も長くなります。延床面積が広い、部屋数が多い、複雑な間取りなどは、工期に影響する大きな要因です。また、設備や仕様のグレードによっても、工期が変動する可能性があります。例えば、高機能な設備や特殊な建材を使用する場合、調達や施工に時間がかかる場合があります。
家を建てる流れと各工程の期間

家を建てる際の流れと、各工程におおよそどれくらいの期間がかかるのか。もちろん、家の規模や複雑さ、ハウスメーカーや工務店の対応状況、時期的な要因などによって前後することをご承知おきください。
土地探しから契約まで
土地探しから契約までは、土地の状況や交渉の進み具合によって大きく変動します。一般的に、土地探しに数ヶ月、契約手続きに1~2ヶ月程度かかることが多いでしょう。希望のエリアや条件が明確であればあるほど、スムーズに進む傾向があります。土地が見つかってから購入の申し込み、契約、そして手付金の支払いまでの一連の流れを理解しておきましょう。
設計・プランニング期間
設計・プランニング期間は、間取りやデザインの複雑さ、施主の要望の反映回数などによって異なります。一般的には3ヶ月~6ヶ月程度かかることが多いです。家族構成やライフスタイル、将来的な展望などを考慮し、納得のいくまでじっくりとプランを練ることが大切です。建築家との綿密な打ち合わせを重ね、理想の住まいを実現するための具体的なプランを固めていきます。
確認申請と地盤調査
確認申請は、建築基準法に基づき、建築計画が法令に適合しているかを確認する手続きです。申請から許可が下りるまで、通常2週間~1ヶ月程度かかります。並行して行われる地盤調査は、地盤の強度や安定性を確認するための調査で、1日~数日で完了します。軟弱地盤の場合は地盤改良工事が必要となり、追加の期間と費用が発生します。
着工から上棟までの期間
着工から上棟までは、木造住宅の場合で1ヶ月~2ヶ月程度が目安です。基礎工事、土台敷き、柱や梁の組み立て、屋根の設置など、家の骨組みを造っていく重要な工程です。上棟式を行う場合は、このタイミングで行うことが多いでしょう。天候にも左右されるため、工期が延びる可能性も考慮しておく必要があります。
内装工事・外構工事
上棟後に行われる内装工事と外構工事は、内装の仕上げ、設備の設置、外壁塗装、庭づくりなど多岐にわたります。内装工事には2ヶ月~3ヶ月、外構工事には1ヶ月~2ヶ月程度かかることが多いです。細かな仕様の決定や資材の調達状況によって、工期が変動する可能性があります。
完成検査と引き渡し
完成検査は、建築基準法に基づき、工事が設計図通りに施工されているか、法令に適合しているかを確認する最終検査です。検査に合格すれば、いよいよ待ちに待った引き渡しとなります。完成検査から引き渡しまでは、1週間~2週間程度が一般的です。鍵の受け渡し、設備の説明、書類の確認などを行い、新生活がスタートします。
工程 | 期間(目安) |
---|---|
土地探しから契約まで | 数ヶ月~半年程度 |
設計・プランニング | 3ヶ月~6ヶ月程度 |
確認申請と地盤調査 | 2週間~1ヶ月程度 |
着工から上棟まで | 1ヶ月~2ヶ月程度 |
内装工事・外構工事 | 3ヶ月~5ヶ月程度 |
完成検査と引き渡し | 1週間~2週間程度 |
上記の期間はあくまでも目安であり、住宅の種類、規模、施工業者、時期などによって大きく変動する可能性があります。より詳細な情報については、ハウスメーカーや工務店に確認することをおすすめします。
家を建てる期間を短縮するためのポイント

家を建てる期間は、様々な要因によって左右されますが、事前にしっかりと計画を立て、準備を進めることで、工期を短縮することが可能です。ここでは、家を建てる期間を短縮するためのポイントをいくつかご紹介します。
土地の状況を確認し、早期に決定する
土地探しに時間がかかると、全体の工期に大きく影響します。あらかじめ希望のエリアや条件を絞り込み、不動産会社と密に連絡を取り合い、効率的に土地探しを進めましょう。地盤調査が必要な場合も考慮し、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
間取りや設備の決定をスムーズに行う
間取りや設備の決定に時間がかかると、着工が遅れるだけでなく、変更に伴う追加費用が発生する可能性もあります。事前に家族でしっかりと話し合い、希望を明確にしておくことが重要です。住宅展示場やショールームなどを活用し、具体的なイメージを共有することも効果的です。ハウスメーカーや工務店との打ち合わせもスムーズに進められるよう、疑問点や要望はリスト化しておきましょう。
資金計画を事前にしっかりと立てる
住宅ローンなどの資金計画が確定していないと、着工が遅れる可能性があります。事前に複数の金融機関を比較検討し、最適なプランを選びましょう。また、自己資金や補助金についても確認し、資金計画をしっかりと立てておくことが大切です。
着工時期を適切に選ぶ
着工時期によっては、天候の影響で工期が遅れる場合があります。梅雨や台風シーズンを避ける、あるいは天候の影響を受けにくい工法を選ぶなど、着工時期を適切に選択することで、工期の遅延リスクを軽減できます。
ハウスメーカーや工務店との連携を密にする
ハウスメーカーや工務店とのコミュニケーションを密にすることで、進捗状況の共有や問題発生時の迅速な対応が可能になります。定期的な打ち合わせを設定し、疑問点や要望を積極的に伝えましょう。
家を建てる期間に関するよくある質問
家を建てる際、期間に関する疑問は多くあります。ここではよくある質問とそれに対する回答をまとめました。
Q. 着工時期はいつ頃が良い?
着工時期は、気候条件や建築会社の繁忙期などを考慮すると、一般的には3月~5月、9月~11月が適していると言われています。梅雨や台風シーズン、真冬を避け、安定した気候の中で工事を進めることが理想的です。
ただし、近年は異常気象の影響も大きいため、希望する時期に工事が可能かどうか、建築会社とよく相談することが重要です。
Q. 雨が多い時期は工期に影響する?
雨が多い時期は、基礎工事や外壁工事など、屋外作業に影響が出ることがあります。工期が延びる可能性もあるため、事前に建築会社に確認し、対策について相談しておきましょう。天候の影響を受けにくい工程を優先的に進めるなど、柔軟な対応が求められます。
Q. 工期が遅れることはある?
工期が遅れることは、残念ながらあります。天候不良以外にも、資材の調達遅延、職人不足、予期せぬトラブル発生など、様々な要因が考えられます。
工期遅延のリスクを最小限にするためには、信頼できる建築会社を選ぶことが重要です。契約前に、過去の事例や遅延発生時の対応について確認しておきましょう。
Q. 住宅ローンはいつ申し込むのが良い?
住宅ローンの申し込み時期は、土地の購入契約時、または建築請負契約時が一般的です。資金計画をしっかりと立て、余裕を持ったスケジュールで手続きを進めることが大切です。事前審査を利用することで、借入可能額や金利などを事前に確認できます。
Q. 土地探しと並行して家づくりを進めることは可能?
土地探しと家づくりを並行して進めることは可能です。希望のエリアや予算、間取りなどを事前に決めておくことで、土地が見つかった際にスムーズに建築計画を進めることができます。
Q. 建物の保証期間は?
建物の保証期間は、建築会社や保証内容によって異なります。一般的には、構造耐力上主要な部分(基礎、柱、梁など)で10年間、雨漏りで2年間の保証が義務付けられています。その他、設備機器や内装材などについても保証期間が設定されている場合があるので、契約前に確認しておきましょう。
Q. 契約後に間取りの変更は可能?
契約後に間取りの変更が可能かどうかは、契約内容や変更の規模、工事の進捗状況によって異なります。軽微な変更であれば対応可能な場合もありますが、大幅な変更は難しい場合が多いです。また、変更に伴う追加費用が発生することもありますので、契約前にしっかりと検討し、疑問点は解消しておくことが重要です。
Q. 引渡し後のアフターサービスは?
引渡し後のアフターサービスは、建築会社によって内容や期間が異なります。定期点検や修理対応など、充実したアフターサービスを提供している建築会社を選ぶことが、安心して長く住み続けるために重要です。契約前にアフターサービスの内容を確認し、不明な点は質問しておきましょう。
まとめ
家を建てる期間は、家の種類や規模、ハウスメーカーまたは工務店によって異なります。木造住宅で平均6~8ヶ月、鉄骨造や鉄筋コンクリート造はさらに長くなる傾向があります。坪数や間取りの複雑さも工期に影響します。土地探しから完成まで1年以上かかる場合もあるので、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。工期短縮のためには、初期段階での綿密な打ち合わせや、施工業者との良好なコミュニケーションが重要です。